第1回「落語を聴く楽しみ」

着物の人が現れ、座布団に座ってお辞儀をする。顔を上げた第一声から、落語の幕が上がり
ます。
 扇子と手ぬぐいと話芸だけで、聴き手に森羅万象を描かせる落語は、最もシンプルな芸能でありながら、面白くハイセンスな娯楽です。私たちは落語を聴きながら、江戸時代から未来、武士やサラリーマンや宇宙人(!)を頭に描き、その物語世界に惹き込まれ、笑ったり泣いたりします。
 「そこには水のしたたるようないい女がいて…」と落語家が話した時、頭の中にそれぞれ
が描く女性は、きっと百人百様のはずです。自分が生きてきた人生の経験値にあわせて、オ
ーダーメードの脳内映像、充実した人こそ奥深く、細かい映像を描いているのかもしれませ
んね。

今年8月の浅草演芸ホールです。
恒例の「住吉踊り」を堪能しました。

落語には人生の機微が詰まっています。世の中の出来事は古典落語に集約されることも多
いです。「時そば」「寿限無」「芝浜」くらいは皆さんもしかしたら聴いたことがあるかもしれませんね。
 落語はいろんなホールでも独演会などがあり、聴けますが、ほかに都内には5軒の寄席が
あります。半蔵門にある国立演芸場をのぞく4つの寄席(上野鈴本演芸場、浅草演芸ホール、
新宿末広亭、池袋演芸場)は、ほぼ毎日営業しています。

思い立ったらすぐにいつでも、落語を楽しむことができるんです。いつ入場して、いつ出て
もいい、忙しい人には、たぶん映画よりも気軽に楽しめます。しかもライブです。贅沢でし
ょう?
 コロナ禍に急速に広がった配信落語会で、もちろん家にいながらも楽しめます。私が編集
人を務める月刊演芸専門誌『東京かわら版』はそんなニュースや情報がたっぷりつまっています。小誌を片手に是非一度、落語を聴きに足を運んでみませんか。

 まずは初回のごあいさつ。裏を返して馴染みになれますよう、これからどうぞよろしくお願い申し上げます。
  ~ 佐藤 友美:月刊演芸専門誌『東京かわら版』編集長 ~

 ~ 続く ~
 連載第2回 → 『寄席に行ってみよう』

 

◆『東京かわら版』のご案内:創刊は昭和49年(1974年)10月。日本唯一の演芸専門誌 !
  
 演芸家を含め演芸を愛する多くの人々に愛され、支えられて
 今日まで発行を続けてきました。落語・講談・浪曲・漫才・
 マジック・太神楽・紙切り・コントなど、寄席演芸とお笑い
 に関するニュースと情報が、コンパクトな誌面にぎっしりと
 詰まっています。演芸会情報は、寄席定席(鈴本演芸場・浅
 草演芸ホール・末広亭・池袋演芸場・国立演芸場)情報のほ
 か、東京近郊で開かれる大小の会をとりまぜて毎月数百件、
 紹介しています。
 演芸会の情報をこれだけ網羅的に紹介している媒体は他には
 ありません

 
  


毎月28日発行、定価¥600(税込)、定期購読送料無料
・お問合せ: TEL 03-3542-3610
・ウエブサイト:http://www.tokyo-kawaraban.net/
・『東京かわら版』オンラインショップ: https://kawaraban.theshop.jp/
 

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